来る6月9日の第2回定例市議会に向けて、約50億円の
補正予算案の説明が札幌市側から連日続いています。
100万円前後の細かい事業から、先日掲載した市電延伸の
ような大型の事業まで、市の各部局からさまざまな事業案が
出されています。
正直申しまして、多額の税金を投入してどれだけ実効性が
ある事業なのか、説明を聞いてもさっぱり理解できないものが
かなりあります。
法律上、予算の包括的な提案権や予算成立後の執行権は
市長にあり、議員がひとつひとつの細かい事業に賛否を表明
する制度になっていません。
「これは無駄な事業だな」と思っても、議会で指摘することは
できるものの、直接差し止める術がないことが歯がゆい限り
です。
今日はその中のひとつ、「幼児絵本ネットワークセンター事業」
を取り上げます。
市立幼稚園のために、大型絵本や布絵本をまとめて購入し、
宮の沢の「幼児教育センター」に配備すると言う計画です。
センターと市立幼稚園の間のパソコンネットワークを新たに
整備し、購入した本を市立幼稚園に貸し出します。
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市立幼稚園は、パソコンで在庫を検索して申し込むと、翌日
宅配便でセンターから届けられる仕組みです。
私立幼稚園からも要望があれば、最寄の市立幼稚園経由で
又貸しは対応してもらえるそうです。
これだけ聞くと、決して悪い計画ではないのですが、問題は
その中身。
事業費約720万円のうち、実際に本を買うのは約300万円で、
残りの約400万円は、システム構築や配送費に使われる
というのです。
絵本の貸し借りだけをするために、わずか10箇所足らずの
市立幼稚園を結ぶ情報ネットワークが本当に必要でしょうか。
絵本の整備より、システム整備が先になっていないでしょうか。
電話やFAX、メールでは足りないでしょうか。
そして、もっと効率的なやり方があります。
新たに情報ネットワークを作らなくとも、すでに市立図書館には、
蔵書検索システムがあり、インターネットで検索できるように
なっています。
もちろんネットで予約も可能です。
つまり、絵本は、宮の沢の「幼児教育センター」ではなく、市立
図書館に配備すればよいのです。
そうすれば、市立幼稚園だけでなく、私立幼稚園の先生も、
保育園や保育所の先生方、一般の市民も広く利用できるように
なります。
あるいは別の考え方として、本の貸し借りではなく、直接
各幼稚園に絵本を配置すると言う方法もあります。
720万円の予算で仮に5000円の絵本を購入すると、
1440冊購入できます。
札幌市には、私立・市立幼稚園が約150校ありますので、
各校に直接配分すると一校当り約10冊割り当てることが
できる計算です。
新たに情報ネットワークを作って、忙しい先生方に慣れない
パソコンでの予約作業を押し付けるより、幼稚園に本を常時
置いて、いつでも園児に読み利かせできるようにするほうが、
よほど効果的ではないでしょうか。
札幌市としては、「幼児教育センター」に本の蔵書業務を新設
することで、センターの機能や予算を増やし、担当者の人員も
増やすことができるから、メリットがあるのでしょう。
しかし、市民目線からすると、税金を消化するため、あるいは
職員の仕事を増やすための予算のように思えてなりません。
日々、札幌市の職員とお話していると、個々人は使命感もあり、
優秀な人が多いことを感じるのですが、組織として出てくる
提案になると、こういう種類のものがよくあることが本当に
残念に思います。