今日の決算特別委員会は、保健福祉局の事業審査の日程で、私は保健所が
行うエイズ予防対策事業を取り上げました。
「エイズ」というと、かつては不治の病と言われ恐れられていましたが、最近は
市民の関心が薄らいできているような気がします。
ところが実は、感染者の数はここ数年で大幅に増えてきているのです。
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                                    (資料出所:札幌市保健福祉局ホームページ)
上の表は、札幌市がまとめた市内のHIV感染者・エイズ患者の届出数の推移です。
平成元年からしばらくは毎年1~3人くらいだったのに、平成18年頃から毎年20名
前後にまで届出数が増えていることが分かります。
患者の累計数は急増しています。
今日の委員会質疑で、「なぜ届出数が年々増加傾向にあるのですか?」と尋ねたら、
保健所は「明確な原因は把握できていない」と答弁しました。
もちろん札幌市は、この状況を放置しているわけではなく、さまざまな対策事業を
行っているのですが、その中には当初の目的を見失って、惰性で続けているような
事業があります。
その一つが、「エイズ予防啓発キャンペーン」(事業額180万円)。
小中学生の保護者を集めてラジオDJの講演会を行ったり、ポスターやチラシを
配ったり、CDや缶バッチを作ったり、毎年同じような事業を繰り返しています。
どこが無駄かというと例えば、ポスターを5000枚制作したうち750枚だけを
市に納入させて、残り(4250枚)は制作した業者に「好きに配って」と配布を
任せていました。
業者がどこにポスターを張ってきたのかは記録が残っていません。
そもそも4250枚は納品されていないので、本当に印刷したのかも不明です。
せっかく印刷したポスターをどこに貼るか、決めてもいないのに5000枚の
印刷だけを発注していたのです。
同じように、チラシ、CD、缶バッチなど多数作ったままで、札幌市に一部納品
したあとは「適当に配って置いて」と業者に任せきり。
これが毎年続いていました。
こんなことに市民の税金が使われているのは、本当に残念に思います。
私が今日の委員会で取り上げるまで、札幌市はこの事態を把握していなかった
ようで、委員会で担当幹部は「事業成果の管理が不十分で申し訳ない」と
謝罪しました。
さらに問題なのが、受注した業者は「世界エイズデー札幌実行委員会」の代表
を務めるA氏という個人で、ここ数年間、随意で役務契約を受託していたことです。
本来は札幌市の規定で競争入札を行わなければならない規模の金額なのに、
「実績のあるNGOだから」などとよく分からない理由で、勝手に随意契約で
済ませていました。
(※「随意契約」というのは入札を行わないで、特定の業者と契約することです)
「どれだけ実績があるNGOなんだろう」と私は疑問に思っていたところに、ある
市民の方から「実行委員会は架空の疑いがある」と情報提供がありました。
私も現地を確認し、その証拠を元に委員会で質問したところ、担当幹部からは
 「実行委員会の事務所は実は事務所ではなく、代表者の自宅だった」
 「諸般の事情で代表者は転居し、いまは住所が不定になっている」
 「平成24年度も契約を締結しているので、問題点を正すべく指導している」
という驚きの答弁が返ってきました。
札幌市は住所不定の委員会(個人)と随意契約を結んでいたことになります。
どういう事情で、「実行委員会」と不透明な契約を長年結んでいたのか、ひょっと
するとなにか弱みを握られているのか、その本当のところは残念ながら明らかに
なりませんでしたが、いずれにしてもこんな無責任なお金の使い方が平気で
まかり通っているのが札幌市役所の実情です。
委員会で私は保健福祉局に、
「この普及広報業務は一般の広告会社でも行える業務であり、広く業務を
民間に公募して新しい視点で効果的な事業を行うべき」と求めました。
惰性と闇に包まれた市政ではなく、市民に透明性が高く、分かりやすい公平な
市政に転換を求めて行かなければなりません。