3/28議会報告(1)平成25年度予算、自公民ほか賛成多数で可決されるに続く)
3/28札幌市議会で、「TPP交渉参加反対」の意見書の採決が行われ、圧倒的
多数で可決されました。
私は反対(つまりTPP推進)の立場ですが、
賛成(つまりTPP反対)は自民・公明・民主・共産・市民ネットほか66名、
反対(つまりTPP賛成)は、私とみんなの党の木村議員の2名でした。
新聞の世論調査では民意はTPP賛成派のほうが多いのですが、札幌市議会は
圧倒的多数でTPP反対でした。
TPP交渉を提案したのはもともと民主党の菅前首相で、いまは自民・公明政権に
交代して安倍総理が交渉参加を進めています。
でも札幌市議会の自・公・民3党は本部とは違う考え方を示しています。
この夏に参議院選挙を控えて、TPP反対を声高に叫んでいる農協と医師会を
敵に回したくないということなのでしょうか。
さて私が議場で述べたTPP交渉推進を求める理由は下記のとおりです。
(かなり長文です)


戦後の我が国は自由貿易の恩恵を最大に受けて、今の経済的地位を築きました。
19世紀のイギリスの経済学者リカードは「自由な貿易がそれぞれの国に利益を
もたらす」という比較優位の考え方を発見し、これは文科省の定めた高校の学習
指導要領にも記されています。
(高等学校学習指導要領解説51ページ)。
かつて保護貿易主義が世界を大戦に導いたことの反省から、戦争中の昭和19年
には連合国間でブレトンウッズ協定が締結され、戦後はGATT・関税および貿易に
関する一般協定に基づく自由貿易体制の下で我が国は「東洋の奇跡」とも
言われる高度経済成長を実現しました。
資源を有しない我が国にとって、自由貿易が国家の生命線であります。
政府の計算では、仮に日本がTPP交渉に全面的に失敗し、アメリカの言いなりで
関税が完全に撤廃される最悪のシナリオを想定しても、その場合でも輸出が輸入
を大きく上回り、年3兆円程度の経済効果があることが分かっています。
 
その中で安倍総理は世界屈指の経済力を武器に、国益の極大化を目指して交渉
に当たる決意を示しており、農林水産業と食の安全を守ることは交渉参加の前提
となっています。
TPPが実現すれば世界最大の自由経済圏が誕生し、アジアのこれからの成長を
取り込む経済効果と合わせ、国際基準に合致した公的規制の見直しがさらなる
我が国の経済発展、技術革新の起爆剤となることが期待されます。
先の総選挙で信を得た総理が多くの国民の意見を聞き、国家百年の計として
TPPの交渉に参加を決めた以上、我々政治家は冷静に現実を直視し、最大限の
国益を追求すべく、このあとは中身の議論をすべきだと思います。
具体論を二点取り上げます。
まず農業の自由化について。
政府は交渉に当たっては農林水産業の保護には全力を尽くすことを約束しており、
むしろ今後は「攻めの農業へ転換」し、高品質を意味する「made in japan」の
ブランドで、おいしくて安全な北海道産の農産物を世界に売り込むべく、農業を
成長産業・輸出産業に導く必要があります。
いままで農協を中心に「守り」に徹してきた農業政策は農家を守ることは出来ず、
守られたのは強大な農協の資金力だけ、結果として我が国の農林水産業は
衰退の一途をたどっています。
非効率な零細兼業農家の保護はもうやめるべきです。
今後は選択と集中で、次の担い手となる成長の芽を丁寧に育てるとともに、
やる気のある農家が将来に夢を持てる、稼げる農業へと大胆に政策転換する
必要があります。
次に混合診療の全面解禁について。
混合診療は、産科や歯科ではすでに解禁されているが、医療が崩壊したという
話は聞いたことがありません。
いまの社会保障制度(国民皆保険制度)が「世界に誇る理想的なもの」と思って
いる人がいるが、本当にそうでしょうか。
国民医療費は年々増大し現在40兆円近くに達し、健康保険制度は国家財政だけ
でなく本市の財政も圧迫しています。
 市民は「国民健康保険の保険料が高すぎて払えない」とみな訴えていて、
一般会計からの繰り入れも限界に達しています。
超高齢化社会で健康保険制度は既に制度疲労に陥っていることは明らかで、
今後は民間保険の導入も含め、競争原理を取り入れた制度の抜本的見直しが
必要です。
いまの医療制度は競争原理が働かず、どんな名医もヤブ医者も診察代は一緒。
昔の国鉄や電電公社と同じで、本来であれば医療技術、待ち時間、サービス向上
などで医療機関同士の競争が働くべきところ、頑張っても患者の単価は一緒
なので医師には「品質を向上しよう」、「コストを下げよう」という動機が生まれません。
つまり競争がないことは患者にはデメリットに他ならず、お役所が運営する保険
制度には無駄使いを生み出す構造的欠陥があります。
よく「TPPで生存権が脅かされる」と不安を煽る言葉を聞きますが、本当の意味
での生存権を守るためには、医師や製薬業界、官僚の既得権を守るのではなく、
患者の立場での医療の効率化を推進し、真の医療制度改革を実現することが
大切だと私は思います。
TPP問題について政治家は現実的な解決策を示すべき時が来ています。
規制緩和に必要なのは勇気とアイデアだけで、財源はいっさい必要ありません。
デフレ、人口減少、莫大な国と地方の借金で将来への希望を失いつつある日本
にとって、TPPによる経済開国は、再び日本が奇跡の再生を遂げるための、
最後のチャンスだと信じます。
アジア・太平洋地域の中でりんと輝く、豊かで伝統ある日本を未来の世紀へ
引き継ぐために、私はTPP交渉参加に関する安倍内閣総理大臣の決断を支持
するものであります。


改めて自分の演説原稿を読むと、まるで自民党の主張のようです。
自民党員でない議員(私)が自民党の政策を支持していて、その肝心の自民党議員が
安倍総裁のTPP参加にこぞって反対しているのはやっぱり不思議な気がします。
この後、アメリカの核性能実験に関する決議案の反対討論を行ったのですが、
長くなりましたので次の項に続きます。
3/28議会報告(3)米国の「核性能実験」は本当に日本に有害か?