11月1日深夜の札幌市議会本会議で、二度目の公契約条例案の採決が行われ、
採決の結果、結論は否決。その他の議案も24時をもって廃案となりました。
二日間にわたる与野党の攻防に、ついに終止符が打たれました。
(※国では政権交代で与党は自民党になりましたが、札幌市議会では依然として民主党が与党です)
労働組合や左翼系弁護士が長年の悲願として取り組んできた公契約条例にようやく
結論が出された形です。
私は連日の奮戦で疲れていたためか、起きたら朝9時を過ぎていたのですが、その後、
市役所に登庁して人気のない議員控室で書類や荷物の整理をしていたら、土曜日にも
かかわらず、何本も電話がかかってきました。
いずれも
「新聞を見たが、どうして条例に反対したのか?」
「金子議員は業界の味方なのか?労働者の味方ではなかったのか?」
「もう応援はしない」
という内容でした。
道内大手新聞社が公契約条例推進キャンペーンを新聞紙上で連日展開していたため、
その影響を受けたのかもしれません。
ここで改めて、私の考え方を説明を記したいと思います。
札幌市内で清掃や警備などに携わる方の給与水準が著しく低いことは問題ですが、
公共工事の労務単価は民間の現状の基準に合わせて定められています。
つまり民間に合わせて、官の基準を決める仕組みです。
しかし公契約条例制定派は
「民間給与は年々下がってきた。官も下がっている。このままでは負の連鎖だ」
「ここで考え方を下げよう」
「官の基準を上げれば、それに連動して民の給与水準も上がる」
と主張します。
ニワトリとタマゴの順番を争うような話です。
なんとなく彼らが言っている意味も分かるのですが、しかし、よく考えてみると変な話で
あることが分かります。
札幌では公務員給与が民間の中小企業と比べると大幅に高いことが有名です。
にもかかわらず、民間の給与が上がったという話は聞いたことがありません。
あくまで民間企業の給与は景気動向や企業の収益、労使間交渉で決まりますが、
官の給与は自治労の政治力をもとに財源無視の既得権重視型で決定されます。
給与がいくら高くても、あとは増税で国民に負担させればよいわけですから、財源を
心配する必要がないのです。
つまり公共工事は国民の税金で実施する事業であるにもかかわらず、そのコストを
考えることなく、「賃上げ=良」という理念論だけで走っているのが公契約条例です。
百歩譲って公務員の給料を上げるのは役所の勝手かもしれませんが、その論理で
民間企業に賃上げを無理やり強制するのは官の暴走と言わざるを得ません。
労働者の賃上げや労働環境の整備は大切ですが、これは本来は国の仕事。
市役所は本来業務である除雪や教育、公園道路整備、環境など住民サービスを
優先的にやるべきだと思います。
もうすぐ札幌では雪が降ってきますが、昨冬も大雪で大変な大混乱になりました。
春になって雪が解けてしまえば、雪の苦労はすっかり忘れられています。
目の前の市民の暮らしをさておいて、労働組合の権益獲得に政争を繰り広げた
札幌市・上田市長の責任は重いのではないでしょうか。
今回世論を二分する公契約条例について正面から激突した結果、市議会内に
大きなひずみとしこりが残りました。
市長の政治力にも疑問符が付いています。
次回の定例市議会は今月末から再び開かれます。
もしかするとこの先、市議会の勢力図にもなんらかの変化があるかもしれません。