経済雇用対策・新幹線等調査特別委員会の視察2日目は福井市です。

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JR福井駅を降りると駅前には高層ビルもなく、県庁所在地の割に一見地味な地方都市に
見えるのですが、実は福井県は製造業が盛んで「持ち家率全国1位」「学力体力全国1位」
などのデータから「幸福日本一」の街としても知られています。

ちなみに北海道は43位(出所:法政大学坂本光司教授「47都道府県幸福度ランキング」)


平均寿命は全国トップクラス、世帯収入は東京に次いで全国2位、就業率も全国2位と
輝かしい数字が並びます。
そういえば、街中にパチンコ屋がほとんど見られません。
3世帯同居率が高く、子供の道徳心・社会性の高さにも定評があり(全国学力学習状況調査)
女性の結婚率も全国1位、ということは日本の古き良き家庭観がまだしっかり残っている

ということでしょう。
テレビは民放2局しかありませんし、派手な歓楽街もありませんが、豊かな自然と伝統、
温かい家庭においしい食事(海・山の幸)があり、堅実に働いてのびのび暮らせる点で
福井市は本当に幸せな街なのだろうと思います。

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約10年後に新幹線が開通する予定で首都圏からの集客増も期待されています。
そんな福井市役所を訪れて、今日は中小企業支援の取り組みについて伺いました。

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もともと、もの作りの技術や伝統のある都市ですが、零細企業が多いため企画力に弱みが

あり、市役所として中小企業向けに新商品開発の企画、製造、販売などの各ステージごとに

細かく支援を行っています。
成功例の一つとして、福井県特産の六条大麦を利用したパンやプリンなど食品を製造する
福井大麦倶楽部さんは、市の支援策を使って起業し、補助金でメニューを開発し、商品が
認められて地元企業に販路が拡大したほか、個人向けインターネット販売も始めるなど、

小さいながらも着実に成長しているそうです。
札幌で「もの作り支援」というと、バイオとかコンテンツとか意味の分からない横文字が

並ぶのですが、福井市の企業支援策は地に足がついている様子がうかがえます。
「支援内容は企業の反応を見ながら見直しを進めている」との説明も印象的でした。

このほか、空き工場のリサイクルに取り組んでいることも面白いと思いました。
普通は「製造業誘致」というと工業用地の新規分譲を思いつきますが、福井市では市内で

閉鎖された空き工場に目を付けて、不動産会社経由での中古工場の売買取引に補助金を
出しています。
工場の持ち主は不要資産が売れるし、進出企業は安く工場を取得できる、工場は復活して

街は元気に、雇用は生まれ、市には固定資産税が入る、といいこと尽くめの支援策です。
実際に九州から福井市のホームページを見て工場を移転してきた会社があったそうです。
支援内容は土地建物・設備の固定資産税評価額の10%を補助金として支給するものです。
10%というと少ないかな、との印象ですが、ある例では、中古工場の売買価格が実勢の

約2000万円だったところ、取引相場を反映しない固定資産税評価額は5000万円近くで、

10%相当の500万円の補助金がもらえて大喜びの進出企業があったそうです。
(実際にはその後、割高の固定資産税を払うことになりますが・・・)
この空き工場リサイクルは市内の企業にも好評で、業容拡大で工場の規模拡張を考えている
企業の市外流出を防ぐことにも役立っているそうです。

この施策は行政が無理矢理ニーズを探し出してマッチングさせるのではなく、不動産会社を
通じた市場の需給調整に補助金のインセンティブを与えるというところが効率的です。
札幌市では現時点では新規の工業用地がなく、製造業を誘致しようにも土地がない状態です。
あちこちで撤退した工場跡地が商業店舗や住宅になるなど、ただでさえ少ない製造業が年々
減少しており、雇用対策としても極めて厳しい状況にあります。
このような空き工場のリサイクルはぜひ札幌でも取り入れるべきだと思いました。
これはもう少し調べて次回の議会で提案してみるつもりです。

空き工場等活用促進事業について(福井市ホームページへリンク)