7月19日から開かれている札幌国際芸術祭に遅ればせながら私も行ってきました。
なぜ今頃になって行ったかというと、一年で最も観光客の多いお盆休みのシーズンに
どれくらいのお客さんが訪れているかを確かめたいと思ったからです。
まずは北海道近代美術館の会場に行ってみました。
先週の土曜日(8月9日)の模様です。
写真は近代美術館の入り口正面を遠くから撮影しました。
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会場では札幌国際芸術祭と徳川美術展の二つの催しが同時に開かれています。
札幌国際芸術祭は札幌市が主催で、入場料は大人1100円。
徳川美術展は北海道新聞社など民間主催で、入場料は大人1300円。
遠目には徳川美術展の方が人が多く並んでいるように見えます。
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近づいてみると、確かに徳川美術展の方はチケットを買い求める人で行列ができています。
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ところが反対側の札幌国際芸術祭のチケット売り場には人影が見られません。
時間は昼下がりの午後、多分お客さんが多いであろう時間帯を狙っていったのですが、
たまたま人が少ない瞬間だったのかもしれません。
チケットを買い求めて中に入ってみます。
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徳川美術展は会場入り口にも行列が出来ています。
民間企業の企画ですから、万一動員が失敗すれば会社は赤字、担当者は責任問題です。
尾張徳川家の秘宝という作品自体が素晴らしいのでしょうが、広報・宣伝もきっちり行った
様子が伝わってきます。
一方、わが札幌国際芸術祭は、というと・・・。
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チケット係も完全に手持ち無沙汰であきらめ顔です。
上田市長の肝いりで多額の費用をかけて始めた事業ですが、あまりにひと気が無い。
お客さんが少ないということは、やはり展示内容もそれなりなのでしょうか?
ところが展示会場に入ってみると、意外と面白い展示があるのです。
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こちらは岡部昌生さんの作品。
「フロッタージュ」という手法で夕張の炭坑遺跡を表現したものだそうです。
どこが炭坑なのかはよく分かりませんが、暗闇の中に鮮やかに赤色で彩られていて
美しさの中に迫力が伝わってきます。
地面のガラスの下にも展示が埋め込まれていて、作品を踏みながら見ることができます。
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こちらはインドのスボード・グプタさんという作家の作品です。
ヤカンやフライパンをひたすら接着して原爆のキノコ雲を演出したそうです。
キノコ雲の左のお客さんと比較するとお分かりいただけるかと思いますが、とてつもない
大きさで、しかも下より上の方が大きいという見るからに不安定な形状です。
「よくインドから運んできたものだ」と感嘆させられます。
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こちらは雪の結晶ができる過程を体験してみようという企画です。
糸を伝わった水分がドライアイスで冷やされ、結晶化したところを拡大鏡で眺めます。
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拡大鏡で見ると確かに瓶の下の方に結晶ができているのが分かります。
まるで理科の実験のようですが、解説によると東京帝国大学の中谷宇吉郎先生が
発案した作品だそうで、本当はかなりレベルが高い展示なのだと思います。
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こちらは高谷史郎さんの作品です。
写真右側の縦に長い黒い物体はパソコンのディスプレイを二つつないだものです。
作品と言ってもただの展示ではなく、画面が動いています。
赤い細い線が上下に行ったり来たりしています。
美術館で、このようにパソコン上で動く電子的な作品は初めて見ました。
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こんな普通の額縁展示もあります。
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こちらは天井が低い閉ざされた真っ白な空間の真ん中に白いテーブルが一つ。
テーブルの上には雑誌や本が置いてあって「ご自由にご覧下さい」と書いてあります。
空間自体がきっとアートとして楽しむコーナーなのだと思います。
いくつか展示の模様を写真でご紹介してきました。
会場の中は写真撮影禁止のところが多く、すべてをご紹介できないのが残念ですが、
思っていたよりずっと見どころがあると私は感じました。
これらはおそらく総合監督を務める坂本さんの人脈で集めた作品なのでしょう。
実は小生は大変失礼ながら坂本さんを脱原発活動家の色眼鏡で見ていましたが、
坂本さんの識見はやはり世界レベルだと感じました。
こういう機会が無ければ、芸術に疎い私は一生見ることが無いものばかりだったと思います。
これまで芸術祭に議会内外で批判を繰り返してきましたが、作品は素晴らしい。
上田市長と実行委員会の皆様にお詫びと感謝を申し上げなければなりません。
さて問題はこの芸術祭に約8億円もの市民の税金が投じられたということですが、
おカネのことを忘れれば、良い企画だったのではないでしょうか。
お客さんが少ないということは、前向きに考えれば落ち着いて観覧できるということです。
まだご覧になっていない方にはぜひ芸術祭へ訪問をお勧めしたいと思います。
(蛇足ですが、前売チケットは一部の金券ショップで安く売っているようです)
このあと芸術の森会場を訪れたのですが、長くなったのでここで一旦区切ります。