札幌市は毎年、外部の専門家を招いて包括外部監査を実施しています。
平成26年度は札幌市立大学の監査を行い、最近その結果が明らかになりました。
札幌市立大学に外部監査が入るのは初めてのことです。

平成26年度包括外部監査結果報告書

平成26年度包括外部監査結果報告書

監査報告書では、

  • 固定資産や蔵書の紛失
  • だれも利用しない札幌駅前のサテライト・キャンパス
  • アルバイトの時間外手当の水増し
  • 職員のサービス残業
  • 通勤手当の水増し請求
  • タクシーチケットの不正利用の疑い
  • 学会等を名目としたカラ出張の疑い
  • 公費でルンバやバッグ、ミネラルウオーターを購入

これらのずさんな事務が厳しく指摘されています。
札幌市立大学は市民の税金で年間15億円もの運営費補助を受けています。
しかし、公立大学法人として札幌市とは独立した運営がされているため、
かなりいい加減な事務がまかり通っていたことが分かります。
そして、今回の監査の最大の問題は談合の疑いが指摘されていることです。

平均落札率95.6%、談合の疑いが極めて強い

「落札率」とは、落札された金額を発注予定価格で割り算した数字です。
監査報告書の記載によると一般的には

  • 落札率95%以上の入札は「談合の疑いがきわめて強い」
  • 落札率90%以上の入札は「談合の疑いがある」
  • 落札率は80%台以下は「適切な入札が行われている」

とされているそうです。
落札率95%というのは、業者に発注予定価格がバレている証拠です。
公正に競争が行われば、落札率は低くなるのが普通です。
それでは札幌市立大学はどうか、と調べたのがこちらの表です。

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赤マーカーの「平均落札率」をご覧ください。
調査対象期間の3年間ずっと、平均落札率が95%以上です。
「談合の疑いがきわめて強い」と外部監査人が指摘している数字です。
100%とか、99.4%とか、これらの数字は談合以外にありえません。
ちなみに、札幌市役所の最近の平均落札率は工事が90.56%、業務で76%です。
かつては95%以上だったのが、入札改革を続けた結果、かなり改善しました。
明らかに、この札幌市立大学の数字は異常だということです。

談合が起きる原因は

このような談合が起きる原因として、

  • 札幌市立大学では一般競争入札がほとんど採用されていない
    (=指名競争入札や随意契約で業者を決めている)
  • 積算資料の管理が杜撰で、職員が予定価格が漏らしている可能性がある
  • 持参入札制度のため業者間で話し合っている可能性がある

などの問題を包括外部監査人は指摘しています。

その上で、
談合の事実は把握されていないが、この点につい ても念のために、談合をなしうる環境があるのならば、これを改善しておくことが有益である
と意味深長な記述で事務の改善を求めています。

200ページを超える監査報告書の文面から外部監査人の憤りが伝わって来ます。
外部監査は毎年行っていますが、こんな激しい内容は見たことがありません。
報告書は札幌市ホームページに掲載されていますので、ぜひご覧ください。

包括外部監査の結果・札幌市立大学について(札幌市ホームページへリンク)

 

札幌市立大学の経理の総点検が必要だ

いままで札幌市立大学の経理については私自身もノーマークでした。
議会でも市立大学の経理について質疑が出たことはありません。
そういえば、以前に大学を訪れた時に、構内に場違いなクルマが停まっていて、
なにか違和感を感じたことをふと思い出しました。

静かなキャンパスの専用駐車場にたたずむ高級車

静かなキャンパスの専用駐車場にたたずむ高級車

これはたぶん公用車ではなく、誰か幹部のマイカーだと思います。
ならば本来は公用車駐車場ではなく、職員駐車場に置くべきでしょう。
こういうところに市立大学の綱紀の緩みを感じたのです。

残念ながら今任期中の議会はすべて終了したため、札幌市立大学で指摘された
不正事務について、もう議会で取り上げる機会がありません。
この問題は4月の選挙が終わってから、次の市議会で調べるつもりです。