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イスラム国の残忍な声明、外務省は存在意義を示せ

外交・防衛

「イスラム国」による日本人殺害予告が大ニュースになっています。
人質に2億ドルもの身代金を要求しているとのこと。
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オレンジ色の囚人服を着せた日本人二人に刃を向ける映像に私も衝撃を受けました。
ところがよく報道を聞くと、「イスラム国」は安倍総理が中東諸国に2億ドル資金援助することを犯行の大義名分にしているようです。
2億ドルというと日本円に換算すると約240億円。
こんな大金を政府がイスラム国対応にバラまくとは、この事件が起きるまで知りませんでした。
安倍総理の中東歴訪は聞いていましたが、財源難のご時世に気前の良い話、との印象を受けます。

今回の殺害予告はインターネット上のSNSで発表されているとのこと。
ニュースソースとなる「イスラム国」の声明をネット上で探してみました。
youtubeでは「イスラム国」制作のオリジナルの動画は、すでにサイト管理者の判断で削除されているようです。
編集加工されたニュース映像しか見当たりません。
ようやく別のサイトに転載された生映像を発見することが出来ました(下記)。
画面下の三角形の再生ボタンを押すと映像を見ることができます。
この犯行ビデオを見ると、日本の報道と少し言い分が違うように聞こえます。カネ目当ての単なる身代金要求というより、「イスラム国」の政治的メッセージが伝わってきます。

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“A MESSAGE TO THE GOVENMENT AND PEOPLE OF JAPAN”
日本政府と日本国民へのメッセージ。

こんなタイトルで始まるビデオは、日本が「イスラム国」に対する十字軍に参戦したことを痛烈に批判しています。
日本が十字軍に参戦したとはまったく初耳ですが、先方はそう判断しているようです。
そして、身代金の2億ドルについてはこう説明しています。

  • 日本の1億ドルはムスリムの女性や子供を殺すために使われる
  • もう1億ドルは反イスラムの裏切り者の軍事訓練に使われる
  • 計2億ドルを日本政府が提供するのは誤った決定だ

つまり日本政府が中東に渡す2億ドルと同額をよこせ、ということ。
政府発表によると2億ドルは人道支援目的と説明していますが、「イスラム国」はそう受け取っていないようです。
安倍総理が二枚舌を使っているのか、それとも「イスラム国」が勘違いしているのか?
実際に総理が中東でなにをおっしゃったのか、出典を探してみました。egyptbusiness
日エジプト経済合同委員会合で演説する安倍内閣総理大臣-平成27年1月17日

「ここで私は再び、お約束します。日本政府は、中東全体を視野に入れ、人道支援、インフラ整備など非軍事の分野で、25億ドル相当の支援を、新たに実施いたします。」
「地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。
首相官邸ホームページより引用、英語版は末尾にリンク掲載)

安部総理は1月17日、エジプト・カイロの会議でこのように語っています。
日本側から見れば人道支援かもしれませんが、相手(イスラム国)から見れば立派な敵対行為です。
良かれと思った計らいが、イスラム国には「十字軍」と判断されてしまったのです。
しかも演説によれば支援は2億ドルだけではなく、中東全体で25億ドル相当の支援を新たに実施するとのこと。
25億ドルといえば、3千億円近い財政支出です。

日本は巨額の財政赤字で、消費税増税を断念するほど景気も悪化しているのに、海外には大盤振る舞い。
総理が原油資源など、中東における我が国の権益確保に苦心されていることは分かりますが、その結果、「イスラム国」との争いに巻き込まれている事態は残念なことです。

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上記は「イスラム国」の声明文です。
72時間以内に2億ドルを払わなければ二人の命はない、と言います。
どうしてこんなことになってしまったのか。
中東に2億ドルの拠出を決めるとき、外務省は「イスラム国」の反発を想定していなかったのでしょうか。
世界で活動する邦人を守るべき外務省にとって、残された時間はわずか。
外務省には今こそ、その存在意義を示してもらわなければなりません。
囚われの二人の早期救出を祈ります。

それにしても今回の事件で、世界が公正と信義だけでないことは、憲法第9条を愛する人々にもよく分かったはず。
外交や防衛、危機管理、さらには政治のあり方についても、根本から考え直さなければならない事態になりました。

(参考リンク)
安倍総理大臣のエジプト訪問(外務省)

Speech by Prime Minister Abe “The Best Way Is to Go in the Middle”(安倍総理の2億ドル支援演説の英語版)

Message from Japan regarding the incident on warning of Japanese nationals’ execution(イスラム国に対する外務省の声明文)

 

 

コメント

  1. 外務省で危険情報を出している地域に勝手に行って政府が混乱。
    この問題で身代金を払わなくても相当な税金が使われたでしょう。

    仮に生きて帰って来ても損害賠償請求をしてもいいジャーナリストだと思います。

    危険情報 – 海外安全ホームページ: 危険・スポット・広域情報
    http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=51#ad-image-0