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西2丁目地下通路は平成30年に開通予定です

地下鉄東豊線大通駅の端に開かずの地下通路があるのをご存知でしょうか?
札幌市役所の関連不動産会社である札幌振興公社が昭和62年に建設した130メートルのトンネルです。
その存在は関係者以外には長年伏せられていたのですが、先日、この地下通路を会派で視察してきました。
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場所は東豊線のコンコースからエスカレーターでさらに地下に降りたところにあります。
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地下2階の奥にある普段はドアをくぐると、そこには大きなトンネルが広がっていました。
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大通駅から札幌駅方向(北向き)に撮影した写真です。
下り坂になっていて、おそらく階段やエスカレーターを設置する計画だったのでしょう。
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坂を降りるとトンネルは100メートルほど先で行き止まりになっています。
北1条通りの少し先まで延びているそうです。
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このトンネルは札幌振興公社から札幌市が買い取って、北1条西1丁目地区の再開発にあわせて出入り口を整備する計画です。
いまは空き地の北1条西1丁目地区には今後官民共同で新しい文化ホールと放送局の本社ビルなどが建設されます。
ちなみに再開発の事業費は約720億円で、そのうち札幌市民の負担額は約300億円です。
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(北1条から大通方向に見たイメージ図)
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こちらは市役所本庁舎との接続部分です。
この西2丁目地下通路は平成30年に供用開始される予定です。
それにしても、せっかく作ったトンネルがどうして30年近くも放置されていたのか、不思議です。
もともとは地下鉄東豊線を建設するときにトンネルを掘ったそうですが、北4条まで掘っておけば札幌駅と接続してさらに利便性が向上したのではとも思います。
ところで、この秘密の地下トンネルは計画が明るみに出るのを防ぐためか、登記も行っておらず、固定資産税もかけていなかったそうです。
札幌振興公社は札幌市の関連会社とはいえ、民間の株式会社ですから普通はこの種の建築物には課税されるのではないかと思いますが、市役所の税務課に聞くとなぜか「課税対象にはならない」といいます。
またトンネルの建築費を公社はどうやって工面したのかも謎めいています。
私の調べによると札幌振興公社はこのとき当時の北海道拓殖銀行から15億円を無担保無保証で借り入れています。
札幌市が札幌振興公社からトンネルを譲り受ける金額から逆算すると工事は約5億円と推計されるのですが、なぜか借入額と金額が合っていません。
札幌市がトンネル工事のために借り入れを起こすとき、本来は法律で議会の議決が必要と定められているのですが、市は民間企業の札幌振興公社をトンネル会社にするスキームで脱法的に議会の審査をすり抜けたとも言えます。
昭和62年と言えばバブル経済絶頂期で、紙ペラにはんこを押すだけで簡単にお金が借りられる時代だったのかもしれませんが、議会や市民への説明責任を放棄した当時の市役所の判断には疑問を残るところです。
このような大きなプロジェクトには利権やおカネが付き物で、今後多額の市税を投入する北1条西1丁目の再開発にもきちっと議会の監視の目を光らせなければならないと思います。

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