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【予知不能】航空機の落下物は北朝鮮より恐ろしい。私は羽田空港・新ルートに反対です。

空港・交通政策

先日、恵比寿駅近くで開かれた、羽田空港・新ルートの住民説明会に参加しました。
日時は2月7日午後7時から午後8時半までという設定です。
「住民」といっても、実は私は引っ越してきたばかりのニワカ住民なのです。
ですから「ここは黙って聞いていよう」と思っていました。
ところが聞いてみると、説明会の内容がひどいのです。

説明会の司会進行は渋谷区役所ですが、実際に説明するのは国土交通省。
国土交通省の説明員は「スズキ」さんという中年男性の方でした。
スズキさんはパワーポイントでスライドを使いながら、手元の説明原稿を淡々と読み上げています。


羽田空港新ルート説明会。2月7日夜、恵比寿社会教育館にて


説明が約50分、そのあとの質疑応答が約40分。
スズキさんはぞんざな言葉遣いと、やる気を感じない説明内容もさることながら、 住民の皆さんとの質疑で、住民をバカにしたような受け答えの態度が私はとても気になりました。
しかも質問できるのは会場近くの恵比寿近辺に住んでいる人だけ。
それ以外の地域の渋谷区民は質問の機会がありません。
小役人の典型のようなスズキさんの説明に立腹したのは私だけではなかったようで、参加の皆さんも、かなり荒れ模様でした。
(もしかしたらスズキさんは小役人ではなく偉い官僚さんかもしれませんが、役職不明につき失礼御容赦)

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羽田空港・新ルートとは

ご存知の方も多いと思いますが、簡単におさらいします。
政府は東京オリンピックと羽田空港の国際化の一環として、航空機の新しい着陸ルートの導入を計画しています。
これにより、一時間あたり最大9便の国際線増便が見込めるとしています。
東京に外国人がたくさん訪れることで、素晴らしい経済成長が期待できるそうです。
羽田空港はもともと東京湾の入り口にありまして、騒音を避けるために航空機は海側から離着陸するようになっています。
ここに新たに内陸側から東京都心を通って着陸するルートを新設したのです。

具体的には埼玉県上空から中野駅、渋谷駅、恵比寿駅の上空を通って羽田空港のA・C滑走路に北側から進入します。
航空機の高度は代官山・恵比寿駅上空を通過する時点で約600メートル。
その後、羽田に向けて高度を下げていきます。
地上から見上げたら大きな飛行機が上空を爆音で通過することになります。

資料:国土交通省作成

航空機が通過するルートでは相当の騒音が発生します。
恵比寿上空をボーイング777型機が飛行するときの騒音値は政府発表で74デシベルです。
パチンコ店内や掃除機の運転音などに相当する「うるささ」です。
季節と風向きによりますが、一時間あたり最大で数十便の航空機がこのルートを通ります。
屋内ではとても窓を開けていられないほどの騒音です。
私の本業は不動産屋なのですが、不動産取引の際に重要事項説明が法律で義務付けられています。
これは今後、不動産を取り引きするときの重要事項説明書に入れるを得ません。
騒音を嫌がって転居する方が出るでしょうし、うるさいマンションを好んで住む人も少ない。
新ルート下のお宅では地価やマンション価格、家賃相場に影響が避けられないでしょう。
しかし、極論すれば騒音や地価下落はまだいい。
我慢すればどうにかなるからです。

怖いのは飛行機の落とし物

私が懸念するのは航空機からの落下物です。
精巧に設計され、丹念に整備された航空機でも、意外と多くの部品を上空から落下させています。
航空会社も空の安全を第一に運航していますが、確率論として部品落下リスクをゼロにするのは難しいのが現実です。
大勢の人が暮らすこの新ルート上で、もし落下物が人やモノに当たったら、大変な事態になります。
空から降ってくる重量物を避けるのは容易ではありません。
さらに航空機の部品だけではありません。
上空で機体に凍り付いた氷塊がフラップや翼、脚の出し入れで落ちることがあります。
これはパイロットが滑走路を目視し、着陸態勢に入るときの操作にあたります。
ちょうど新ルートの渋谷区上空に当たります。

北朝鮮のミサイルより恐ろしい、飛行機の落下物

こう考えると飛行機の落下物は、北朝鮮のミサイルより恐ろしい。
北朝鮮の動向は米軍と自衛隊が24時間監視しています。
万が一東京に落下するならば、ただちに国民に知らせる仕組みが出来ています。
しかし、航空機からの落下物は予測不可能です。
確率論から落ちる可能性が0%ではないことが分かっています。
東京の繁華街に落下物が降ってきたら、間違いなく大惨事になります。

内閣官房・国民保護ポータルサイトより


悪意がない攻撃ほど恐ろしいものはありません。
この点について国土交通省は「落下物は航空会社の責任」と説明します。
国内の定期航空会社には既に事故防止の措置を取るように命じました。
万が一の落下事故が起きた場合、国土交通省は部品を落とした航空会社を呼び出して、注意するそうです。
人身事故・物損が発生した場合は、その会社に賠償責任を負わせます。
もし会社が不明な場合は、航空会社が連帯して賠償責任を負う仕組みを作りました。
「だから皆さん、安心して下さい」との国土交通省の弁です。
しかし、賠償金を支払えば事故は解決するのでしょうか?
「そういう問題じゃあないだろう」と思うのは私だけでしょうか。

私は思わず手を挙げて質問しました

「具体的には、どんな事故が起きて、最大どれほどの賠償を想定しているのか?」と。
すると国土交通省のスズキさんは、私の質問はまるで聞いていなかったかのように、
まったく関係ない想定問答集を長々と読み上げます。
事故のリスク想定や賠償額の規模にはいっさい触れませんでした。
おいおい・・・。
私は「質問が理解してもらえなかったのか?」と思い、仕方なくマイクを取って、もう一度かんで含めるように分かりやすく質問をしました。
しかし、国土交通省のスズキさんは想定問答の同じページを再び淡々と読み上げるだけでした。
スズキさんはこれ、わざとやっていますね。
時間稼ぎの確信犯です。
議会だったらこんな小役人はコテンパンにやっつけるところです。
しかしここは住民説明会だったので、そんな場所ではない、と矛を収めました。

”https://www.shibukei.com/headline/13879/″

国土交通省はこんな説明会を100回以上繰り返しているようですが、これでは参加者の不信感が増すばかり。
説明会としては逆効果と思われます。
もともと、この問題に中立だった私が、断固反対派に回ったくらいですから・・・。
保守本流の私が、スズキさんのせいで共産党と足並み揃えて断固反対です。
スズキさんを放っておけば、反対派が増えるばかりです。
国土交通省は危機感を持ってください。
本気で新ルートをやるつもりなら、説明員を交代させるべきです。

新ルートの実現可能性は?

さて、いまから新ルートに反対して勝ち目はあるのでしょうか?
家に帰って、渋谷区議会の情勢を調べました。

渋谷区議会トップ 〉議会中継・会議録

過去の議事録を調べると、まず共産党の秋元英之議員、五十嵐千代子議員が区長に新ルート反対を求めています。
これに対し区長の長谷部さんは新ルート賛成の立場から、共産党の求めを拒否しました。
また立憲民主党の治田学議員が「住民への説明が不充分」の趣旨の質問をしています。
長谷部区長は、「住民へ丁寧な説明を行う」と答弁しました。
本記事執筆時点の渋谷区議会議事録では、これ以外の議員の質疑は見当たりませんでした。
渋谷区民の生活が大きく変わるのに、区民や議員の関心は高くないのでしょうか。
新ルートは政府の施策ですから、政権党の自民・公明の議員は恐らく賛成でしょう。

新ルートを決めるのは国の権限

空港の運用は航空法に基づく国の航空政策です。
航空法の決まりを調べてみると、下記のように定められていました。

(航空路の指定)
第三十七条 国土交通大臣は、航空機の航行に適する空中の通路を航空路として指定する。
2 前項の航空路の指定は、当該空域の位置及び範囲を告示することによつて行う。

飛行機の飛ぶルートを「航空路」と言います。
航空法ではルート設定は「告示」で行うと定めています。
「告示」は国土交通大臣が行います。
つまり、国の権限で自由に飛行ルートを設定できることが分かります。

地方自治体の役割は

こうなると、仮に渋谷区議会が反対でまとまったとしても、国内法的に新ルートを止めることは難しいかもしれません。
しかし、地方自治体には住民の平和と安全を守る役割があります。
そして、ここに代表を送る地方選挙は住民の意思を公に伝える唯一無二の場です。

新ルート導入を来年に控えて、

  • 航空機事故のリスクが気になる方
  • 航空機の騒音が嫌な方
  • 地価が下がるのが困る方
  • 環境汚染が嫌な方

こんな皆さまは、この春の区議選ではっきり意思表示をすべきです。
「リスクより経済成長」「騒音よりオリンピックが大切」と思う方は、長谷部区長と自民党の区議に投票すればよいでしょう。
あなたの上空をジェット機が飛び交うようになってからでは、もう遅いですぞ・・・。

金子は 羽田空港・新ルートに反対します

私は平成31年の渋谷区議選にあたり、羽田空港・新ルートに反対を宣言します。
よく選挙の前と後で発言が変わる政治家を見かけますが、私はそのようなことはありません。
新ルート反対は共産党さんと一緒ですが、共産党と違って私は反日ではありません。
純粋に国民の豊かな暮らしと経済発展を望む企業人です。
そして国を愛し、日本に誇りを持つ予備自衛官でもあります。

自民党のように自分党ではなく、NHKやマスコミ、エセ同和やアイヌのような既得権益にも恐れずノーを突き付ける人間です。
「良いものは良い」「悪いものは悪い」と自分の頭で考え、はっきり主張します。
だからかもしれませんが、政治家として自民党から除名されたことがあります。
社会人としても私は組織になじむことなく、今もこんな不安定な生活をしています。
家族には不便をかけていますが、しかしこれが私の生きざまなのです。
だって、東京で無慈悲な大事故が起きるのを見なくないじゃありませんか、皆さん。
羽田沖の片桐機長の事件を忘れたのですか。
全日空61便の事件はつい20年前のことです。
どうか私の感じる危機感が渋谷区の皆様に伝わることを願うばかりです。

蛇足:新千歳空港と私

蛇足ですが、私は若いころ、航空会社で働いていたことがあります。
羽田空港と、そのあと、新千歳空港で働きました。
千歳市は私が大好きな街でした。
自然が豊かで、必要なものは近くで揃います。
いつか千歳市に住みたいと思い、そのころに不動産を買いました。
その不動産が新千歳空港の滑走路の延長線上に(今も)あります。
羽田空港新ルートで言うと、ちょうど恵比寿駅くらいの位置にあります。
南風の時にこのルートで飛行機が着陸するのですが、それはひどい騒音です。
頭上約300メートルを通過する大型機には恐怖を感じるほどです。
最初は昼間にときどき飛行機が通過するだけでした。
それが安倍政権になってから便数が増え、最近は深夜も飛ぶようになりました。
新千歳空港ができた後に建設された物件ですから、後から文句をいう筋合いはなく、住民は我慢するほかありません。

このように、羽田空港・新ルートは始まってしまってからでは取り返しがつかないことになります。
渋谷区だけでなく、東京都、埼玉県の多くの地域に影響があります。
地域にお住いの皆様は春の統一地方選で意思を示していただけますようお願い致します。

(おことわり)

羽田空港新ルート反対は、「NHKから国民を守る党」の政策ではありません。
金子快之(かねこやすゆき)の公約です。
本件についてのお問い合わせは私、金子にお願い致します。

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