31日の決算調査特別委員会では、さっぽろ健康スポーツ財団が
保有する「仕組み債」の問題を取り上げました。
「仕組み債」とは、デリバティブ取引を複雑に組み合わせて、高い
利回りを追求する債券のことですが、知識のない素人が買うと
利回りどころか元本を大幅に減らして泣き寝入りとなることが多く、
一時は社会問題にもなりました。
札幌市もこの「仕組み債」を持っている出資団体が多数あります。
「仕組み債」は、為替レートや株式相場に連動するものがほとんど
最近の円高や株安で損失を出しているケースが多いですが、
その中でさっぽろ健康スポーツ財団は、なんと5割もの損失を
出しているものがあることが分かりました。


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さっぽろ健康スポーツ財団が保有する仕組み債の一覧表。5年前に1億円で買った
債券が5千万円になっているものもある。

表の中で右から4列目に「利率」の欄に、「0.00%」というものが
3件あります。
これは、円高のため利息が一円も払われないということを示しています。
利息ゼロではなんのために債券を持っているのか分かりません。
普通預金以下です。
当然、多額の評価損も出ています。
一番問題があるのは、上から3行目の、「早期償還条件付きユーロ円建債」
期間30年、金額1億円の債券です。
これは「円建て債」ではなく実際は外貨建て債券で、30年後の満期時に
アメリカドルで償還されるしくみなっています。
財団は、30年後に受け取ったアメリカドルをどうするつもりなのでしょうか。
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野村が財団に発行した仕組み債券の概要資料。満期時にアメリカドルで
償還されることは小さな字で記されている。

これは専門用語で、PRDC債と呼ばれる、とてもリスクの高い
債券で、利回りに目がくらんだ全国であちこちの第三セクターが
たいした知識もないのに手を出した結果、大損をして問題に
なっています。
資料をクリックして見ていただきたいのですが、利回りは最初の
一年だけ4%で高利回りのように見えながら、翌年以降は
為替レート変動型で、いまのような円高状況では金利は0%に
なってしまいます。
このまま円高が続くと、満期までずっと金利は0%で、満期時は
ドルで償還されるので、円高で大損する仕組みです。
反対に円安になると普通は為替差益が得られるのですが、これは
野村に有利にできていて、途中で期限前償還されてしまい、結局は
全く差益を受け取ることができない仕組みです。
円高に転んでも円安に転んでも、トクをするのは野村だけ。
簡単に言うと、
「ハイリスク・ハイリターン」ではなく、「ハイリスク・ローリターン」
なのです。
なんで、こんな馬鹿げた投資に手を出してしまったのでしょうか。
5年前にこの商品への投資を決めた担当者はいまもおとがめなしで
同じ職に就いています。
私は議会で、「財団を処分すべし」と指摘しましたが、理事者側は
 「財団には責任はない」
 「札幌市にも責任はない」
と答弁しました。
市民の税金や利用料を預かる立場としての責任感を感じることは
できなかったのが、本当に残念です。
そもそも財団は、札幌市の補助金や委託金を主な収入源にしている
団体です。
財団は、この仕組み債を始めとして、多額の内部留保をもって
いますが、こんな無駄な投資をする余裕があるならば、補助金を
返上すべきではないでしょうか。
しかし、「これは氷山の一角ではないか」とも思っています。
本日で、今期の決算特別委員会の審議は終わりましたが、私は
これからも市税の無駄遣いを粘り強く正していきます。