23日の財政市民委員会では、大通駅地下のリフォーム計画と併せて、札幌市が
大株主として出資している北海道エアシステム(HAC)の現状について、報告が
ありました。
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HACは今年春に資金繰りに行き詰まり、筆頭株主の北海道が懸命な支援策を
講じています。
しかし、その後も搭乗率は目標、前年とも下回り、厳しい経営が続いています。
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「搭乗率が低迷する」と言うことは、売り上げも思ったように上がらないと言うことです。
この結果、会社の手元資金も6月末の時点で危機的な水準にあることが分かりました。
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こんな中、北海道が最近まとめた「経営改革案報告書」ではいくつかの経営
改善策を示しています。
それは、
 ・道内不採算路線の撤退(女満別-丘珠、旭川ー函館)
 ・道外路線の新規開設(三沢-丘珠)
です。
企業として事業を継続していくためには利益を出していくことが必要です。
そのためには路線の見直しはやむを得ないことと考えますが、よく考えると
丘珠-函館線以外はすべて赤字なので、そもそも道内路線を維持することが
現実的にできるのか?という根本的な問題に行き着きます。
昨年には濃霧の中で地上激突寸前の重大インシデントがあり、その後は機材が
頻繁に故障して欠航したり、と安全運航体制に利用者の不安が高まっているのが
搭乗率低迷の原因と思われます。
しかし、安全品質がその後も抜本的に改善された、という報告は聞かれません。
「日本航空から安全管理の経験者をスカウトしたので大丈夫だ」
「今度の新社長は元JASではなく、元JALなので安心だ」
などと期待感もあるようです。
でも、JALはHACの所有するSAAB機をオペレートした経験はありませんし、
500人乗りの飛行機を24時間世界の裏まで飛ばしている会社のノウハウが
北海道のローカル航空会社にそのまま活かせるのか、疑問も残ります。
JALは長年の大企業病で倒産し、国営化されたばかりです。
その経営ノウハウを安易に受け入れたら、さらにHACの経営も悪化しかねません。
(私の意見)
まずはHACは生産品質の向上を最優先課題に取り組むべきだと思います。
そのための支援先はJALではなく、むしろ、SAAB機の整備、運航の豊富な経験
を持つJAC(日本エアコミューター)のほうがふさわしいでしょう。
安全運航が確保できた上で、HACは身の丈に合ったスリムな経営体制の確立を
目指す必要があります。
売り上げ20億円少々、従業員が100人にも満たない企業に役員が8名、さらに
執行役員が3名と、幹部ばかりの頭でっかちの組織では、コストばかり掛かって
決まるものの決まりません。
社員の年間平均給与も約568万円(平均39歳、勤続年数4年)と、破綻企業に
してはやや高いような気がします。
その証拠に平成23年度決算では、売り上げが前年比2割下回ったのに、反対に
経費が2割も増えてしまっています。
HACにいま本当に求められているのは、他人(補助金)任せでは無く、自らの経営
努力でコストを削減し、売り上げを増やし、一円でも利益を出し、「自分たちの手で
会社再建を実現する!」という独立企業としての誇りと覚悟だと思います。