札幌市は平成27年度開業予定の市電ループ化に関して、駅前通の冬期間の除雪は
経費のかさむロードヒーティング方式で行う方針を、今日開かれた財政市民委員会で
明らかにしました。
大通とススキノ間を結ぶ市電ループ化は、歩道スレスレを電車が走行する「サイド・
レザべーション方式」で行うことが決まっていますが、いま市電が除雪に使用している
ササラ電車では雪が歩道にはねてしまうため、除雪対策が問題となっていました。
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(資料出所:札幌市市民まちづくり局・交通局)
いまの車道を1車線つぶして新たに電車の軌道を敷設するにあたり、既存の下水道管や
ロードヒーティングを移動して対応します。
この方式を採用することに伴う追加予算は約3億円。
札幌市は、「ロードヒーティング方式ならば年間のランニングコストが900万円と安価で、
莫大な初期投資はすぐに回収できる」と説明しています。
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(資料出所:札幌市市民まちづくり局・交通局)

この図の3番目の「軌道ヒーティング」という方式を採用します。
人が歩く歩道のロードヒーティングは未整備なままなのに、電車の軌道だけはエネルギーを
たっぷり使ってロードヒーティングするというのも皮肉なものです。
駅前通は国が管理する国道で除雪は札幌市ではなく国が行うのですが、この問題を解決
しないと国の軌道工事認可が下りないため、苦肉の策で仕方なくこの方式を編み出したもの
と思われます。
何度もこのホームページで記していますが、ループ化予定の市電の地下には冬でも暖かく
ショッピングを楽しめる地下道と、早くて便利な地下鉄が走っています。
ここに新たに40億円を掛けてスローな市電を新設しても乗る人はわずかと思われ、実際に
札幌市は一日600人程度の乗客増と試算しています。
需要の乏しい公共事業を強行するために多額の血税がつぎ込まれます。
また、商店街の駅前通は荷下ろしトラックやタクシー、駐車車両などが路肩に駐まっていて、
この対策も懸案だったのですが、今日新たに荷さばき場とタクシー乗り場を南2条通りと
南3条通りに新設する案も示されました。
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(資料出所:札幌市市民まちづくり局・交通局)

ループ化後は駅前通でタクシーに乗り降りすることが出来なくなります。
電車と車の信号機が入り乱れて信号の待ち時間が延びて、周辺の交通渋滞がさらに
悪化することも懸念されます。
冬には寒空の中でいつまでも変わらない信号機を待つ歩行者の苦情も増えるでしょう。
あきらめた歩行者はポカポカ地下道に潜り、市電の乗客はさらに減る負のスパイラル。
このように上田市長の公約ありきで進められている市電ループ化は問題山積ですが、
残念ながらストップをかける声が市議会の中ではほとんどないのが現実です。
「無理が通れば道理が引っ込む」という札幌市政の矛盾をしみじみと感じます。
本稿のまとめ


市電ループ化は問題だらけ。ロードヒーティングするなら、まず歩道を先にやるべし