ブログの更新が遅れており申し訳ございません。
いまさらですが、先週19日の市民まちづくり局の予算の審議についてご報告します。
北1西1再開発、北海道新幹線、自転車安全対策、真駒内緑小学校跡の活用策などのほか、
丘珠空港の問題やHAC(北海道エアシステム)のJAL再子会社化などについて、各委員
から質疑がありました。
私は丘珠空港ビルのサービス向上策とHACの問題を取り上げました。

HACは北海道が筆頭株主なので、北海道議会でも激論が交わされています。
北海道と足並みを揃えて札幌市もHACに多額の出資と補助金を与えています。
「道内・離島路線が維持されるか」「道民負担はおさえるべきではないか」が議論の中心
ですが、その前に航空会社としての存続可能性についてはあまり争点となっていません。

長年の経営難と資金不足でHACの社員には年に一度のボーナスすら支給されておらず、
先行き不安などを理由に社員が次々離職していると報道されています。
運航乗務員(パイロット)は昨年度末に21人いたところが、この一年間で2名退職して、
いまは19人で一日24便を飛ばしているそうです。

この少ないパイロット数で安全運航を維持できるのか?
乗員の資格・年齢などの詳細は?
パイロット訓練生を新規採用して副操縦士を養成しているのか?

など市を通じてHACに照会したところ、「秘密で答えられない」との回答が届きました。
13日の予算特別委員会でも尋ねましたが、同じ回答でした。

航空会社はどれだけ資金があっても、パイロットがいなくては飛行機が飛びません。
乗員計画(パイロットの人員計画)は航空会社経営の基本中の基本。
HACは北海道を筆頭に多くの自治体が出資する公的な企業であり、いま税金投入が議論
されているのに、こんな基本的な事項すら隠そうとする姿勢には疑問が生じます。
きちんと情報公開を行わなければ、道民世論が許さないと思います。

ところで「隠す」ということは、なにか明らかにできない理由があるのだろう、と思うのが私の
思考パターンです。
下記の図は、HACの一日の機材繰り表です。
4月のHACの運航ダイヤ表をもとに推定してみました。
HACdia3.jpg
私の手書きで読みにくく申し訳ありませんが、一日24便の乗員繰りを推測した図です。
(実際とは違うかもしれません。お気づきの方はご指摘ください)

パイロットの勤務時間(飛行時間)は運航規定で定められていて、無理な残業はできない
仕組みになっています。
天候などのイレギュラーを考えると、フライトは一日4レグがおそらく限界でしょう。
泊まり勤務なしとの前提で機長と副操縦士のペアが毎日6組12名のパイロットが必要で、
病欠などに備えたスタンバイ要員がプラス2名でミニマム14名。
これに年次有給休暇や訓練や健診などを考えるとざっと倍の20名以上は必要なはず。

ところが現状は19名しかパイロットがおらず、このなかで地上管理職や乗務できない査察
操縦士を含むことを考えると、HACの乗員繰りはいま相当きついことが伺えます。
LCCブームでパイロットはどこでも引っ張りダコで、低賃金のHACではいつだれが辞めても
不思議ではありません。
ひとり辞めると残っている人に負担がかかる負のスパイラルで、このままでは運航は維持
できなくなります。
(実際に今年エアドゥでも風邪でパイロットが休んで運休が多発する事件がありました)

つまり本気でHACの存続を考えるならば、目先の資金繰りだけではなく、若いパイロットの
養成を急いで行わなければなりません。
しかし13日の議会答弁によると、HACの役員会では残念ながらこのような乗員不足の議論は
行っていないそうです。
二年前の重大インシデントの時も乗員訓練について国から厳しい注意を受けたはずです。
HACの経営陣(北海道庁から派遣された取締役たち)は事態の深刻さへの認識が足りない
のではないかと思います。
いま空港業務だけでなく日々の航空機整備や乗員訓練まで他社に全面委託しているHACは
自立した航空会社ということはできません。
HACが万一運航を停止すれば、札幌市民の丘珠空港自体の存廃問題にもなりかねません。
老朽化したSAAB340機の後継機問題も含めて、航空会社としての自主性を取り戻してぜひ
経営再建を果たしてほしいと願うばかりです。