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いじめを隠ぺいした五十嵐教育長が渋谷にやってきた理由とは

学校教育、イジメ・体罰

自分の学校で起きたイジメ被害生徒の自殺事件を組織ぐるみで隠ぺいし、
時間を稼いで今年4月にちゃっかり渋谷区教育長に栄転した五十嵐俊子氏。
どういういきさつで渋谷区にやって来たのか?
ご本人の経歴はあまり知られていないようですので、
公開情報をもとに解説してみたいと思います。

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※おことわり

本ブログのモットーとして調査資料は原則そのまま公開しています。
黒で塗られているところは渋谷区役所が消したものです。
この中で五十嵐氏の個人情報が一部に含まれていますが、
いずれもすでに公開されている情報であることから、
事件の公益性の観点を鑑みてそのまま公開しています。

まずは議案書を確認

下記の資料は、今年2月24日の区議会で教育長任命人事が上程された時の議案書です。

同意第1号 渋谷区教育委員会教育長の任命の同意について

五十嵐氏は都内西部で教員生活を送ってきたことが分かります。
町田市立町田第5小学校で学校長を勤め上げて定年退職されました。
令和4年3月に大学院修了見込みと書いてありますが、
いまも学生ということで大変勉強熱心なご様子。
しかし謎なのは、お住まいが八王子市で、もともと渋谷区とは
縁がない方だということなのです。
周辺取材では長谷部区長のお友達というわけでもなさそうです。
(注:長谷部区長はお友達優遇政策で知られている)

そんな五十嵐氏が今年4月、なぜ渋谷区に突然やってきたのか?
その謎を探るため、私は渋谷区役所に情報公開請求してみました。

教育長の資格調査とは

まずは、こちらの資料をご覧ください。
「 地方教育行政の組織及び運営に関する法律に係る資格調査について(依頼) 」
と書かれています。
作成者は渋谷区総務課長で、宛先が黒塗り(秘密)になっています。
秘密にしなければならない調査依頼先とは、いったい?

地方教育行政の組織及び運営に関する法律に係る資格調査について(依頼)

五十嵐俊子氏に関する欠格事項調査の依頼文書です。
法律では「欠格事項」といって、教育長になれない人物が法律で定められています。
渋谷区はその調査を行っていたことがわかります。

この調査依頼に対する回答が下記の調査書です。

五十嵐俊子氏の調査書

上記は五十嵐俊子氏に関する調査書です。
調査書の作成者は黒塗り(秘密)で公印にも墨が塗られています。
調査書の中で、
「地方教育行政の組織及び運営に関する法律・第四条による欠格事項の有無」は
「無」の欄に丸がつけられています。
住所ではなく、本籍で調べるのですね。

法律では、破産者や禁錮以上の刑事罰を受けた人は教育長になれない(欠格事項)と定めていますが、
五十嵐氏はそれには当てはまらなかったということがわかります。
良かったですね。

住民票も調査が必要

渋谷区の教育長になるにあたり、住民票の写しも必要だそうで、
渋谷区長から八王子区長に住民票を請求しています。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律( 昭和31年法律第162号)に係る資格調査について(依頼)

いまどき住民票なんて形式ばっていますね。
1月15日に依頼して、八王子市が住民票を出したのが1月18日です。
LINEで住民票が取れる最先端のIT自治体が渋谷区です。
それなのに、首長同士の手紙のやり取りとはアナログです。
マイナンバーカードを使えば、手続きはもっとスッキリすると思うのですが、
このあたりは行政DX化が必要かもしれません。

八王子市から返信された住民票(公用)がこちら。

五十嵐俊子氏の住民票。開示された文書には墨消しされていた

住民票がなぜ必要なのか、よくわかりません。
それでも、区議会の答弁で
「法律で決められた調査はした」
と渋谷区長は語っていました。

逆に言うと法律で決められた最低限の調査をしただけで、
前の勤務地での不祥事については調べていないようです。

あの時よく調べれば分かったかもしれない

しかし、時系列で考えると、渋谷区長と八王子市長のやり取りが
行われたのは令和3年1月。
この時点で、すでに町田市でいじめ問題調査の第三者委員会が
調査を開始しています。
事件については一部マスコミでも報道されていました。
ちょっと調べれば分かることでした。
あの時に、私は事件との関係を疑うべきだったと思います。

五十嵐俊子氏に賛成した責任

今年2月24日の渋谷区議会で、五十嵐俊子氏の教育長任命の議案には
私を含めて区議会の全議員が賛成しました。
議員に与えられる情報は上に掲載した議案書2ページだけです。
それ以外になにも説明はありませんし、聞かれても答えません。

「ICT教育に詳しく、国とのパイプが太いらしい」というあやふやな噂だけ。
渋谷区はICT教育に積極的なので、きっと東京都の推薦があったのだろう、
などと勝手に良いように推測していました。
イジメ事件について、区長からなにも聞かされていなかったとはいえ、
きちんと調べもせずに、五十嵐俊子氏に安易に同意を与えてしまった
自分の責任を深く痛感する限りです。

渋谷区教育長の給与は

渋谷区教育長の給与は月額81万5300円です。
結構な高給取りです。
しかし、よく調べてみると、実はこれに地域手当が加わることが分かりました。
地域手当は給料X12%で、金額として97836円が加算されます。
しめて、毎月のお給料は合計91万3136円になります。
ボーナスを入れれば年1千5百万円を軽く超える高給取りです。
退職金もたっぷり出ます。
定年退職後の待遇としては上級国民相当といえるかもしれません。

逃げ回る五十嵐俊子・教育長

フォトギャラリー2枚目 小6タブレットいじめ自殺事件 元校長がひっそり「栄転」していた | FRIDAYデジタル
本誌記者が女子児童の件について直撃すると、何も答えず走り去った(撮影:濱﨑慎治)

そんな上級国民こと、五十嵐俊子・教育長。
フライデーに取材から逃げまわる写真が掲載されています。
説明責任を果たしていないと紙面で批判されていますが、その通り。
教育長は税金で養われている公人でもあります。
やましいことがないならば、堂々胸を張って取材に答えるべきでしょう。
コソコソ逃げ回っている人ような人は「人格が高潔」とは言えません。

「人格が高潔」とは

教師として教壇に立つ以上、ひと様に後ろ指を指されるような人物であってはならないことは当然です。
そのうえ、教育長といえば学校の先生を率いる教育行政のトップです。
なにより子どもたちの未来を導く最高責任者ということを考えれば、
誰にも尊敬されるような人格者であってほしいと思うのが、
我が子を学校に預ける保護者の心情ではないでしょうか。
下記は教育長について定めた法律の抜粋です。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律
(任命)
第四条 教育長は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育行政に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する。

法律には教育長は「人格が高潔」であることが求められています。
これだけ見ても、五十嵐俊子氏が教育長にふさわしいのか、と強い疑問を感じます。

「憎まれっ子世にはばかる」

「人から憎まれるような者ほど、逆に世間では幅をきかせる」
という意味のことわざです。

五十嵐氏の経歴を見る限り、たたき上げの教員からの出世のようです。
失礼ながらエリート街道を歩んできた方には見えません。
彼女が教育長まで上り詰めたのには人知れず努力があったはず。
イジメを隠ぺいしただけでなく、彼女なりに精一杯、人生のお化粧を続けてきたのでしょう。

ようやくたどり着いた学校教育トップの地位。
この座に一度ついてしまったら、もう意地でも辞めたくない気持ちはよく分かります。

目付きの悪い教育長

しかしこんな悪党を放っておいては子供の教育上よくありません。
そう思い、私は先日の本会議で登壇して五十嵐氏を厳しく批判しました。
五十嵐氏は都合の悪いことに議会では私の正面の席なのですが、
そのあと、五十嵐氏はうなだれて反省の態度を示すどころか、
ものすごい剣幕で私をずっと睨み続けたのです。
私も負けずに睨み返したのですが、目線のバトルは約5分間。
悪魔のような目つきだなとは思ったのですが、
あの挑戦的な態度は本物です。

悪党をやっつけるには

こういった悪党をやっつけるにはどうしたらよいのでしょうか。

公務員を罷免するのは国民の権利です。
法律で教育長のリコール(解職)も不可能ではありません。
しかし、有権者の3分の1の連署が必要です。
先日の愛知県知事のリコール騒動を見て分かる通り、
リコールはなかなかハードルが高い。

次の手として議会で辞職勧告決議を出すことも考えられます。
しかし、それではなぜ最初に任命に同意したのかという責任問題になりますし、
区長の任命責任も問われてくる。
こう考えると、与党が圧倒的な渋谷区議会では難しいかもしれない。

次に、町田市のイジメ調査委員会で五十嵐氏の関与が立証されれば
「教育長解任やむなし」との方向になる可能性が出てきます。
しかし、事なかれ主義のお役所でそんな結論が出るわけがない。

となると、世論の批判が高まって選挙を控えた区長が解任するか、
あるいは自ら辞めると言い出すまで為す術もないのが実情です。
教育長の任期は3年なので、それまでは五十嵐氏の天下。
虚しい・・・。

それにしても最近こういう人は多いですね。
今回の事件は世の不条理をまさに絵に書いたよう。
渋谷区の子どもたちに逆の意味でよい教材になりそうです。

情報公開請求で入手した資料はPDFで下記に添付します。

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