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平成25年 議会運営委員会視察報告

視察レポート

8月19日、20日と議会運営委員会の一員として横須賀市と京都市への視察に参加しました。
議会改革の一環として公費を使って各会派合同で調査を行ったものです。
本ブログでは私が注目した点だけに絞って記録を残したいと思います。
委員会としての調査項目はこれ以外にも多岐にわたるのですが、後日に委員会として正式な
調査報告書が作成されますので、ご興味のある方はお問い合わせください。
(1)横須賀市
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(板橋衛横須賀市議会議長視察団を迎えごあいされた
■要点
横須賀市議会としてIT化を推進している。
議員に配布する議案書、事務連絡など全ての書類を電子データにして市議会議員専用の
電子掲示板に掲載している。
議員には議会経費でパソコンとネット回線を支給している。
議員は自分で掲示板にアクセスして、必要な書類を取り出す仕組み。
議会事務局は、議員が書類を読んだか否かを確認できるようになっている。
これにより大幅なペーパーレス化を実現した。
議案書が電子データなので、当然パソコンの議場持ち込みも可能。
(意見)
私の実感では札幌市議会も非常に紙の配布物が多いです。
放っておくとあっというまに紙の山になってしまって、どこになにがあるのか分からなくなります。
電子データであれば、過去にさかのぼって簡単に検索できるのですが、札幌市議会では
電子メールや電子データは使わないの慣例になっているので、その代わりに電話とFAXが
重用されています。
私自身は必要な書類はスキャナーでPDF化して後で検索できるようにしたり、FAXもPDFに
落としてクラウド化したりと工夫していますが、二度手間の感が否めません。
世の流れに合わせてIT化の促進が必要です。
また本会議場にはパソコンもタブレット端末も持ち込み禁止との古いルールがありますが、
こちらも見直しが必要だと思います。
(2)京都市
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(厳かな作りの京都市庁舎。日中の気温は39度を記録した)
■要点
議会広報の一環で本会議の全ての日程をテレビ(KBS京都)で生中継している。
中継の空き時間で市政の広報を行うなど、番組枠の有効活用にも務めている。
これにかかる予算は年間2千万強。
視聴率は0.2%程度と低迷しているのが課題。
議会開会について地下鉄、バスでのPR広告を強化するほか、ポスターやチラシを議員に
大量に渡して街で配布してもらっている。
議員も協力的である。
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(歴史と伝統を感じる京都市議会の本会議場。日の丸が黄ばんでいる)

(意見)
私は札幌市議会での論戦をケーブルテレビなどで中継することを提案しています。
最近でこそインターネットでの議会中継は一般的になってきましたが、地上波でのテレビ中継は
全国でも珍しい取り組みです。
しかし今回の京都の調査で明らかとなった一方で視聴率が0.2%というのはテレビ業界の常識
ではかなり深刻な数字で、昼間の番組でこれほど低い視聴率というのは通常考えられません。
関西地区はビデオリサーチ社の調査サンプルが600世帯だったと思いますが、この世帯の中で
1世帯しかみていないという計算です。
昼間はテレビ付けっぱなしという世帯は少なくなく、普通は数パーセントは取るものです。
この数字からは、視聴者の関心と番組内容がまったく食い違っていることがうかがえます。
恐らく議会中継が始まるとチャンネルを変えてしまう方が多いのでしょう。
放送局としても全日視聴率が低下して営業的に厳しいのではないかと想像します。
番組の構成、演出に問題があるのか、それともコンテンツ(議会質問内容)に問題があるのか、
まではよく分かりませんでしたが、札幌でも実際にテレビ中継を行えば同じ問題が発生する
可能性があります。
議会でのやりとりは実際に見てもらわないと議会への関心は高まらないし、逆に見てもらった結果、
関心が下がるという可能性もあるのかと考えさせられました。
一方でNHKの国会中継は根強いファンがいることを考えれば、演出次第で工夫の余地はある
かもしれません。
■余談
1日目は横須賀市に宿泊し、放課後に近くにある三笠記念艦を訪れました。
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暑い一日でしたが、館内で観光ボランティアの方に熱心に説明していただきました。
私は関東地方の出身で子供の頃はいつでも三笠記念館を訪れるきっかけはあったのですが、
実はここを訪れるのは初めてです。
精巧に復元された艦内をくまなく見て回り、よく100年以上も前にこんな巨大な船を自在に操り、
かの帝政ロシアを倒したものだと感嘆させられました。
欧米列強が軍事力でアジアの植民地化を進めていた当時、自由と独立を守るために私たちの
祖先が勇気を持って戦った歴史は、しっかり子供たちにも教えるべきではないかと思いました。
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「皇国の興廃この一戦にあり」(東郷平八郎司令長官が記した)

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