世は待望のゴールデンウィークに入りました。
今年の連休は飛び石ですが、休みをとって11連休の方もいらっしゃるのでしょうか。
さて先日、議会改革の先進市として知られる大津市議会を訪問しましたのでご報告します。
勉強会(主催:ローカルマニフェスト地方議員連盟)の模様は新聞にも報道されていました。

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(写真:大津市役所本庁舎)


大津市議会は昨年秋にマニュフェスト大賞の議会グランプリと最優秀成果賞を獲得しています。
市民に開かれた分かりやすい議会を目指す、様々な取り組みが評価されたものです。
「いじめ防止条例」「災害時に備えた議会BCP」「大学との政策パートナーシップ協定」など
大津市議会が取り組んできたことについて、盛りだくさんの勉強会でした。
「市議会だより」一つとってもページ数が札幌よりずっと多く、質量ともに充実しています。
市民に開かれた分かりやすい議会作りに努めていることが本当によく分かります。
今回の勉強会の中で、気づいたことのほんの一部をご報告します。
(その他は資料がありますので個別にお問い合わせください)
1.議場内の大型モニターの採用
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(写真:大津市議会本会議場、画面右側が理事者席、左側が議員席)
大津市議会では、傍聴者に分かりやすいように大きなモニター画面を設置しています。
もともとインターネット中継用に質問者や答弁者などを撮影するシステムは構築済みで
新たな設備投資コストはモニター設置費用です。
スクリーンには質問席から質問する議員や、答弁する理事者が映し出されます。
またパソコンやタブレット端末を接続する事ができるとのこと。
質疑の際にモニターで資料を大写しにしたり、映像を持ち込むことも可能だそうです。
映像や資料がインターネット中継を見ている市民にも映し出されます。
札幌市議会はパソコンなどのIT機器は一切持ち込み禁止ということを考えると、大津市は
相当に進んでいます。
議場の大型モニターは高額なコストを考えると必要性に疑問に思っていましたが、実際に
目の当たりにすると演壇の議員の表情がはっきり分かって臨場感があります。
まるで野球観戦の様に迫力があり、これなら議会傍聴も面白くなるかもしれません。
(本来は形式より中身かもしれませんが)
2.個人別採決結果の公表
大型モニターを設置した議会は他にもありますが、大津市議会の最大の特色は議員ごとの
採決態度をモニター画面に表示する機能です。
議員の机には賛成・反対の押しボタンがあって、ボタンを押すと、下の写真のように賛否が
色分けされて一目瞭然でカウントされる仕組みです。
国でも参議院が議会改革の一環で同じようなシステムを導入しているようです。

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(賛否の様子を示したイメージ写真です。議員氏名と記事は関係ありません)

これは一見当たり前のシステムに思われるかもしれませんが、札幌市議会ではそもそも、
議員個人の賛否が記録する制度がありません。
議案に対する「会派」の賛否は記録されるのですが、議員一人一人が賛成だったか、
反対だったかはどこにも記録されないのです。
なぜならば、議員は所属会派の決定に従う事が前提となっているからです。
普段はこれで何の問題もないのですが、昨年モメた公契約条例など、賛否が拮抗して
会派内でも意見が分かれているようなときは問題が発生します。
実際に議場で賛否を数えると数え間違いなどのトラブルが予想されるため、議事進行を
スムーズに進めるためには事前に賛否を集計してしまういまの伝統的な方法(※)でも
良いのかもしれません。
しかし、議員一人一人が市民の代表として採決態度に責任を持つべきことを考えると
本来は議員個人ごとの賛否を記録した方が良いように私は思うのです。
大津市議会のシステムは議会の意思決定を根本から変えうるものだと感じました。

(※)「伝統的な方法」とは(注釈)
議会では採決を行うときに「起立」「着席」で「賛成」「反対」の意思表示をします。
起立する議員が着席の議員より多ければ「賛成多数で可決されました」となります。
私は議員になったばかりのとき、あまり議会のルールが分かっていなかったので、
本会議でだれも起立者の数を数えていないことを、ずっと不思議だと思っていました。
札幌市議会は68人もいるので、賛成・反対がギリギリのときに三十数人を見分けるのは
大変です。
ところが議会事務局に聞いてみたところ、驚く事に「数えていません」とのこと。
札幌市議会では前日17時までに翌日の本会議での採決態度を事前に提出する決まりで、
実は本会議が始まる前に賛成・反対の結果は分かっています。
当日の本会議はあくまでセレモニーのようなもので、もともと議員の起立者数を数える
必要はなかったのです。
もちろん当日になって態度が変えるのは御法度で、万一当日に違う投票行動をとっても
それが記録される事はありません。