札幌市人事委員会は、市職員のボーナスを年0.15ヶ月分引き上げて4.1ヶ月分とするよう
上田市長に勧告しました。
現在の年3.95ヶ月分から約3.8%アップで、職員一人あたり約年5万円の年収増となります。
札幌市人事委員会が今春、市内の民間企業を調査したところ、昨冬と今年夏のボーナスの
支給月数の合計が4.1ヶ月分で、民間が市役所を上回っていることが分かったそうです。
「なるほど」
と一瞬思いますが、アベノミクスで景気が回復しているとはいえ、ずいぶん景気が良い話と
感じませんか?
札幌市内のサラリーマンでボーナスが年4ヶ月以上も出る方がどれくらいいるでしょうか。
今回の調査対象となった企業について、札幌市人事委員会は、
「企業規模50人以上、かつ事業所規模50人以上の事業所から抽出した」
と説明するだけで、具体的企業名は「秘密」として教えてくれません。
「50人以上の事業所」とはおそらく私の推測ですが、道内企業ではなく、全国大手企業の
札幌支店が多く含まれているのではないかと思われます。
その証拠に、月例給の役職別の集計結果には次のような結果が並んでいます。

  • 支店長(大卒)852,786円
  • 事務部長(大卒)609,953円
  • 事務課長(大卒)522,989円
  • 事務係長(高卒)398,103円
  • 事務係員(高卒)330,965円

皆様の会社のお給料と比べてみてください。
相当な一流企業のお給料だと思います。
こんな調査結果と比較して札幌市役所職員の給与水準を決めることに私は疑問を感じます。
札幌市内の普通の民間企業の平均ではなく、給与水準の高い一流企業の平均に合わせている
ならば、お手盛りと批判されても仕方ありません。
札幌市人事委員会は、調査対象の会社名と調査内容を公表すべきだと思います。
これらの数字は札幌市人事委員会の調査結果ですが、実は北海道庁が行う別の調査では、
まったく異なるデータが出ています。
調査対象がすこし異なるのですが、規模30人以上の事業所の平均月給は月293,860円で、
上記の札幌市調査よりも数字はずっと低いのです。
平成25年の民間ボーナスは夏1.01ヶ月、冬は1.17ヶ月と、年2.18ヶ月にしかなりません。
札幌市職員の年4.1ヶ月とはずいぶん差が開いています。

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(出典:毎月統計勤労調査地方調査、北海道)


上記の表は昨年冬の道内民間企業のボーナスを集計した数字です。
業種別に見ると、最も高い業種の「教育、学習支援業」でも1.81ヶ月。
もっとも低い「宿泊業、飲食サービス業」は0.29ヶ月と、どちらにしても札幌市の数字には
到底及びません。
いったい札幌市の調査結果はどこから持ってきた数字なのでしょうか?
その秘密を明かすのが下の表です。

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北海道庁の調査は「賃金構造基本統計調査」といって民間の賃金実態を把握するために
厚生労働省がまとめるもので、札幌市人事委員会の調査は「民間給与実態調査」といい、
公務員給与を決めるために人事院がまとめているものです。
そもそも国もお役所は縦割りで、厚生労働省と人事院が同じような調査を別々にやって
いる自体が無駄遣いだと思いますが、調査目的が違うと調査結果も全然違って出てくる
ことにも驚きを感じます。
公務員が自分達の給与を改善するために、人事委員会の秘密調査の仕組みを利用して、
都合の良いように給与水準を決められる仕組みなのです。
税を納める国民より、税を受け取る公務員の方が給料が高いという矛盾を放置していては
国民の納税意欲に影響が出かねません。
実は、地方公務員の給与が全国的に民間より高すぎる問題は、国も理解しています。
総務省は今年、地方公務員の給与水準を見直すための検討委員会を開いて、給与カットの
方向性をまとめているのです。
いずれ国の指導のもとに多少は制度の見直しが進むのでしょうが、これには国民の怒りの
世論の後押しが絶対に必要だと思います。
ぜひお近くの議員や総務省にも、皆様のご意見をお寄せください。
高すぎる地方公務員給与は札幌だけでなく、全国の地方都市でも共通する問題ですが、
この根拠となっているのは、各地の人事委員会がまとめた不透明な調査結果です。
このことをぜひ多くの国民の皆様に知っていただきたいと思います。
「人事委員会の調査結果」で給与アップというと一見もっともらしく聞こえますが、その中身が
国民に明かされないままでは、納税者としては数字のまやかしとしか考えられません。
人事委員会は会議録すら非公開で、中で何が話し合われているのか誰にも不明なままです。
まさに、「公務員の、公務員による、公務員のための人事委員会」
秘密のベールに包まれた、人事委員会の調査内容の公開は待ったなしと言えます。